ベニオオイタチシダが気になる。
以前1つだけ、それらしきシダがあったが、今の時期なら包膜が赤いかもしれない。
香貫山のトウゴクシダも、形が似ていた。
他にオオベニシダの白灰色も気になる。
行ってみよう。
ベニシダの多い場所に行ってみると、やはり包膜のあるベニシダ類があった。
香貫山は補修工事で半分通行止め。3番目のシダは、探していたトウゴクシダっぽいものに近いか。これは包膜の中央に赤い点があった。
翌日、愛鷹山広域公園もチェック。斜面のイタチシダの包膜は透明。公園内にベニシダが多かった。
やはり香貫山で探したトウゴクシダっぽいシダが気になる。見つけた場所を詳しく見たところ、通行止めのエリアだった。しかし登り道路に近いので、登り道路で探すのも良さそうだ。以前、登り道路でもかなりシダを見た。
行ってみよう。
登り道路の当たりをつけたエリアは、包膜中央に赤い点のあるシダばかり生えていた。
当たりだ。
場所を外れると、別のシダが多くなった。
念のため通行止めのところまで行くと、通行止めの看板に通行可のプレートが貼ってあった。柵が1か所通過できる。
目的の場所まで行くと、それっぽいシダがあった。道路より大きいが数は少ない。
当たりだ。
現地でも感じたが、最下羽片の下向き第1小羽片が短く、イタチシダではないものが多い。整理した方が良さそうだ。
帰宅後、日本産シダ植物標準図鑑を参考に、包膜の色を書き出した。
・灰白色 ミサキカグマ、イワイタチ、ヒメイタチ、ヤマイタチ、ナンカイイタチ、タカサゴ、トウゴク、マルバベニ、サイゴクベニ、エンシュウベニ、ギフベニ
・灰白色または赤 オオイタチ
・赤または灰白色 ハチジョウベニ
・赤 キノクニベニ
・赤、稀に灰白色 ベニ
・灰白色、稀に淡い赤 オオベニ
赤は5種類しかない。この内ハチジョウベニは日本産シダ植物標準図鑑・神奈川県植物誌2018とも、沼津付近では三浦半島にしか分布していないので除外すると4種類になる。日本産シダ植物標準図鑑では包膜の赤いオオイタチを分けていないが、神奈川県植物誌2018によると、ベニオオイタチとしており、これに従う。
キノクニベニは、日本産シダ植物標準図鑑の分布図では、かなりレアなシダに見える。しかし神奈川県植物誌2018の分布図では、数は少ないが広い範囲に分布しているので、候補に入れることにした。
包膜が赤いトウゴクは、日本産シダ植物標準図鑑には記載がない。神奈川県植物誌2018では今後の研究が必要と記載がある。トウゴクは無視して良いと判断。
オオイタチ、キノクニベニ、ベニ、オオベニの見分け。
ポイント1: 最下羽片の下向き第1小羽片
・オオイタチ 長さが第2の1.3倍。2等辺3角形。ベニオオイタチは長さが第2の1.1倍。
・キノクニベニ 長さが第2の0.5倍。2等辺3角形。
・ベニ 長さが第2の0.6倍。台形。
・オオベニ 長さが第2の0.8倍。2等辺3角形。
※形は、日本産シダ植物標準図鑑の写真、神奈川県植物誌2018の図を元に私が表現した。(文字では鈍頭~鋭頭と全部同じで表現されており、特徴が不明であったため。図鑑なのでネットの写真と違い、信用できると考えた)
ポイント2: 赤い葉
・新しい葉は赤 オオイタチ(ベニオオイタチ)、ベニ、キノクニベニ
・新しい葉も緑 オオベニ
以下、GWに撮影した画像を並べた。上下が1セット。
*1: 最下羽片の下向き第1小羽片
判定 | 1ベニ | 2ベニ | 3オオベニ | 4ベニ | 5ベニ |
---|---|---|---|---|---|
包膜 | |||||
(*1) | |||||
判定 | 6ベニオオイタチ | 7ベニオオイタチ | 8ベニオオイタチ | 9ベニオオイタチ | 10ベニ |
包膜 | |||||
(*1) | |||||
判定 | 11オオベニ | 12オオベニ | 13ベニ | 14ベニオオイタチ | 15ベニオオイタチ(2018) |
包膜 | |||||
(*1) | |||||
(*1)の形が2018年に別の場所で見た15に良く似ている。 |
こうして並べると、オオベニの軸は緑色、ベニとベニオオイタチの軸は赤みがかっている。
慣れれば、それでも区別化つくかもしれない。
撮影場所
補足: 画像の貼り付け方。写真に表示されているiをクリック、次にsizeのsmallをクリック。表示された画像を右クリックしてurlを取得、イメージタグのurlに挿入。
Comments
ここで調べた結果を、ガイドにまとめた。
https://www.inaturalist.org/guides/13801
Add a Comment